【2015年】インターネットの大衆化が進む中、当編集部がこの先生きのこるには

編集部便り

DEEP案内編集部の逢阪です。2015年を迎えてそろそろ正月ボケが終わりかけている頃ですが、当編集部からも改めて新年のご挨拶をさせていただきます。ネタ豊富で笑える一年となりますように、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。初詣に京都に参りましたが、見ての通りの大雪に見舞われて、まともに取材すらできず東京に舞い戻ってきました。

当編集部も2007年夏の大阪DEEP案内開設以降、今年で8年目に突入しているが、サイト開設当初と現在とではインターネットを取り巻く環境は全く変わってしまったと実感している。

その最も顕著な変化が「スマホ普及とツイッターによるネットの大衆化」

まだスマホが一般に普及する段階まで行かない2010年以前、インターネットという空間でサイトを見る側も発信する側も、一定の敷居の高さというものがあった気がする。サイトの発信者側から見れば、それ以前のブログの普及で敷居が下がってきた経緯があるが、サイトの読者側からすると家のパソコンでじっくりガッツリ見るか、もしくはガラケーのちっちゃなスクリーンでろくに携帯対応していないサイトを無理くり見るとかしなければならなかった。

それが2010年以降、スマホがぐんぐん普及するにつれて、ブログもレスポンシブデザインがどうとか言われるようになって、家のPCで見るのと大して変わらない感覚でスマホの画面から情報をグイグイ吸収する事ができるようになった。

その一方で、情報の拡散や馴れ合いツールとしてソフト面で爆発的に普及しだしたのがツイッターとフェイスブック。後者はクローズドなSNSなのでどうこう言う事もないが、特にツイッターの場合は気に入った情報があると速攻でRTしまくって即時にフォロワーに拡散する事が出来る。

スマホの普及で一番変わったのは、インターネットという空間にいる「人口」が圧倒的に増えてしまった事で、それが所謂「ネットの大衆化」という結果を招いているという事。

どんな超エリートやガチセレブでも中高卒のヤンキー上がりでもド底辺で週末は毎週ワンカップ酒片手に競艇場通いしてますよというオッサンでも「スマホを持っている」という共通項があればみんな同じ1ユーザーであって、それらがツイッターという共通の空間でタイムラインを追っかけたり、時には乱闘しまくっている訳で、ある意味面白い時代が来たものだなと思う一方で、クソみたいなお下品画像や意味のないハプニング系動画なんかが一瞬で数万RTされるなどする「集合痴」がしばしば見られるようにもなった。

で、それを民放各局なんぞは朝のワイドショーの暇ネタとして後追いでネット動画を安易に垂れ流すというのが当たり前になってて、これはこれで失笑ものなんですが…

ツイッターこそが「最小限の手間で最大限の共感」が体験できる新しいマスメディアとして台頭してしまった訳で、この結果現れたのが「バイラルメディア」というPV至上主義でアフィで稼ぎだす方々の存在。どのサイトも炎上マーケティング的なアプローチで煽情的で草を生やしまくったような見出しを付けて他人のサイトの画像や文章を平然とパクりながらPVを掻っ攫っていく行為が常態化している。NAVERまとめのようなキュレーションなんちゃらみたいなのも似たような存在で、この辺の界隈の方々がお行儀悪すぎて実は結構頭に来ている事は以前の記事にも書いた

それからここ数年でかなり増えてきた感のある、当方からすると同業者的な立場になり得る珍スポ系やらサブカル系、街歩き系全般の新世代なブロガーの方々の存在。結構若々しい方々も見られて25歳以下はリアルに昭和を知らない世代も増えていて、また当方のような古い世代とは物の見方も違っていて面白い。

しかし一方ではごく一部にバイラルメディア的にPV至上主義に走るブロガーも居て、当方とは全く違うアプローチで中身の薄い、しょーもない記事を乱発して、ツイッターを駆使してPVを爆発的に稼ぐ、ある意味知恵はあるんだろうけど、ある種の軽薄さを感じてしまうものも決して少なくはない。

逆に中身が薄くて軽くて柔らかい分、アプローチする相手も、これまでよりもっと情報の最下流の「裾野」の消費者層向けに、理解の前提になる知識も不要な程に簡単な文章で構成されている特徴があるのだが、そんな離乳食みたいなやわやわな記事でうちのネタを後追いでそっくりやられて、ざっくり煽情的な見出しをツイッターに垂れ流して一時的にPV数を稼げただけで検索順位がうちより上に来たりするので、古参組に入ると思われるこちらとしては面白くもなくなるし、モチベーションがドヨーンと下がってしまう傾向にある訳です。

しかしぶつくさ文句ばかりも言ってる場合でもないので、それならそれでネットが陳腐化してペンペン草も生えない荒野に成り果てるならそれも運命、なるようになれという感じで、別のアプローチで面白い事は出来ないものかと生き残り方を模索している最中で、具体的には「英語版サイトの拡充」「有料メルマガの発行」という二つの柱を考えておる所です。

前者については、今後の人口減少社会の日本において外国人の存在は見過ごせないものとなるという予測に則ったもので、特に東京は2020年のオリンピックが控えているし、ビザを緩和したり免税対象品を広げたり政府もあれやこれやで日本経済を外貨で潤そうとしている中で、やっぱりちょっと定番から外れたひねくれた街歩きサイトが英語で書かれていたらそれなりに読んでくれる方も居るだろうと見込んでいる。問題は翻訳スタッフの不足で、これは外部委託が主力となるが、気が向けば自力で学習したりしながら下手な英語でも良いので挑戦しようと思う。

また後者については、有料メルマガとはまた何とも古典的な方法だと思うんですが「ネット上にあるものはタダで当然だ」というクソみたいな認識がネットの大衆化によってより加速する一方だし、当方のような旧世代の物書きにとっては、こちらなりに腰を入れて書き連ねた読み物がバイラルメディアやキュレーションサイト、それに類する軽薄な新興ブログ群に埋もれてしまうままでいいのかという危惧があるので、引き続きモチベーションを保ちながら活動を続ける方法として考えている。

引き続き取材旅行なども時間と財力がある限り続けているが、後追い競合ブログが急増した珍スポ系やらそのへんは個人的にはお腹いっぱいで食指が伸びなくなりつつあるので、忘れ去られた商店街の残骸とか限界集落とか不法占拠スラムとか、まだ手垢のついていなさそうな場所を探してじわじわ周りたいつもりでおります。

という訳で今年も引き続きDEEP案内シリーズをよろしくお願いします。

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